高齢になると、これまで何気なく使えていた自宅の設備や動線が、思わぬ「不便さ」や「危険」につながることがあります。特に多くの方が困りやすい場所は「玄関」「トイレ」「浴室」です。これらの場所は毎日使ううえに、段差や滑りやすさ、姿勢の変化が大きいため注意が必要です。
まず玄関は、外出や帰宅の際に必ず通る場所です。靴の脱ぎ履きでしゃがむ・立ち上がる動作が負担になりやすく、段差がある場合は転倒のリスクも高まります。手すりの設置や段差を解消するスロープを導入することで、安全性が格段に向上します。

次にトイレです。高齢になると、立ち座りの動作がつらくなったり、夜間に急いで利用する場面も増えます。狭い空間でバランスを崩す危険もあるため、できれば、引き戸にし、手すりを設置したり、便座の高さを調整することが有効です。加えて、出入口の幅を広げることで、将来的に介助や車椅子を使う場合にも安心です。

最後に浴室です。浴槽の出入りや床の濡れによる滑りやすさが大きな課題です。転倒事故が起きやすい場所でもあるため、滑りにくい床材の使用や浴槽への手すり設置が重要です。また、浴室と脱衣所の温度差によるヒートショックも懸念されるため、暖房設備の導入も検討すべきです。

これら3つの場所を工夫することで、日常の安全性と快適さが大きく変わります。小さな改修や設備の追加でも効果は高く、安心して暮らせる住まいづくりにつながります。高齢期を見据え、早めに対策を講じることが大切です。
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